MENU
\まずは読んでほしい/

このブログのエッセンス

記事一覧

忘れがちな企業型確定拠出年金、見直してみよう!

当ブログはアフィリエイト広告を利用しています

会社員の場合、勤めている会社が年金制度として企業型確定拠出年金(企業型DC)を採用している所も多いです。

この企業型DC、資産形成の1つとしてとても有用なのですが、入社したときによくわからないまま加入してから放置・・・という方が多く、非常にもったいないことをしている可能性があります。

今回は、企業型DC制度の紹介と最低限知っておきたい運用方法について紹介します。

関連記事

aomushi1989.hatenablog.com

aomushi1989.hatenablog.com

企業型確定拠出年金とは

ざっくりいうと企業型DCとは、会社が毎月の掛け金を出して(拠出して)従業員の退職年金を積み立て・運用してくれる制度です。

毎月の掛け金の額は、他の企業年金(確定給付年金など)も併せて採用している場合は最大2.75万円、他を採用していない場合は最大5.5万円です。ただし、実際のところは会社の就業規則などで額が決められているので、必ずチェックしてください。

企業型DCのメリット・デメリットを簡単にまとめると、以下の通りです。

メリット

・会社が毎月の掛け金を出してくれる

⇒掛け金は、会社が就業規則に決められた金額を毎月出してくれます。給料とは別で出してくれるので、従業員にとっては実質タダで資産運用ができるようなイメージです。

資産運用で自分のお金を出すことが怖いor難しいと感じる方であっても、会社が出したお金で資産運用が経験できるので、他の運用制度(NISAやiDeCo)に挑戦する前の訓練として運用してみる、というのもおススメです。

・運用益が非課税で、受け取り時も控除が受けられる

⇒通常、利息や株式投資などで得られた利益には20%程度の税金がかかりますが、企業型DCで運用して出た利益には課税されません。例えば、100万円を拠出して退職時に105万円になっていた場合、利益は5万円なので通常は約1万円が税金として取られてしまいますが、企業型DCならば税金がかからず5万円丸々もらえます。

また、退職金の受け取り時には、決められた金額までは所得税や住民税などの対象にならない所得控除が受けられます。退職金の控除には、一時金として受け取りの場合は退職所得控除、年金として受け取りの場合はそれぞれ公的年金等控除があり、企業型DCで受け取るお金はこれら控除の対象になります。計算式は複雑なので、詳しい解説は国税庁のHPをみてください。

No.1420 退職金を受け取ったとき(退職所得)|国税庁

No.1600 公的年金等の課税関係|国税庁

・マッチング拠出制度が利用できる場合、従業員が拠出する掛け金は所得控除が受けられる

⇒会社によっては、マッチング拠出制度という、従業員が追加で毎月の掛け金を拠出できる制度を設けている場合もあります。このマッチング拠出制度を利用すると、従業員の拠出分は毎月の給料から天引きされます。そして従業員分の拠出額は所得控除の対象になり、所得税を減らすことができます。

ただし、マッチング拠出制度を採用していない会社も多いため、就業規則で要確認です。(あおむしの会社は採用していませんでした)

デメリット

・運用されていることを忘れやすい

⇒会社分の毎月の拠出額は給料天引きでなく、また運用状況も専用のページなどでしか確認できないので、運用状況がわかりにくい、忘れやすいという問題があります。

会社に入社したときに何か説明があって、よくわからないまま元本保証型預金で加入したけど、その後放置している・・・そんな方も多いのが実情です。

また、転職時はさらに注意が必要です。企業型DCは転職や離職したときに転職先の企業型DCまたはご自身のiDeCoへの移管手続きが必要になります。この移管手続きは加入者資格の喪失(元の会社を離れたとき)から6か月以内に行わなければなりません

この手続きを忘れて6か月経過すると、運用していたお金は国民年金基金連合会に自動的に移管されます。ここに移管されると、そのお金は運用されず眠ったままになり、加えて管理費用までかかって資産が減っていきます。さらに、国民年金基金連合会から別の企業型DCやiDeCoに移管するときは、通常の移管手続きよりも手数料が多くかかるというおまけつきです。

こうした企業型DCの運用忘れ/移管忘れは昨年大きな話題になりました。下記のニュースにわかりやすくまとめられているので、ぜひ見ることをおススメします。

money-bu-jpx.com

・原則60歳まで引き出しができない

⇒企業型DCで運用しているお金は、原則60歳を迎えるまで引き出すことはできません。これは、従業員の年金を形成する目的として運用されているためです。

そのため、運用しているお金はいざというときに使えない、ということは肝に銘じておきましょう。60歳までを迎える前に必要なまとまったお金(結婚資金や車・住宅、子どもの教育資金など)は、預貯金やNISAなどで別に準備しましょう。

・商品のラインナップが乏しい

⇒運用する金融商品は、会社が提携している運用機関が設けているものしか利用できません。一つの運用機関で商品数は35が上限なので、正直ラインナップは乏しいと言わざるを得ません。

例えば積立NISAでは、ネット証券ならば100以上の商品が選択可能で、多くの人にお勧めできる低コストのインデックスファンド(パッシブファンドともいう)も数多くの選択肢から選べます。

一方で企業型DCは商品数が少ないので、外国株のインデックスファンドは先進国型の1種類しかなかった・・・しかも手数料も少し高い・・・なんてことがよくあります。このような場合、あなたが外国株のインデックスファンドに投資したくても、全世界にするかや米国にするかという選択肢は無く、運用商品はそれ一択になります。企業型DCは転職しない限り運用機関は変えられないので、涙をのんで妥協しましょう。

入社したときに加入して放置してないか

あなたが会社員の場合、まずやって欲しいことが2つあります。

①所属している会社で企業型DCが採用されているか調べる

②採用されていれば、自分の運用商品を調べる

デメリットでも挙げたとおり、運用し忘れていることが一番もったいないです。例えば、22歳で入社して60歳まで毎月10000円を拠出するとして、運用商品を元本保証型の商品にして放置していた場合と外国株のインデックスファンドで運用し続けていた場合を比較してみます。

元本保証型商品の場合、60歳になると10000円×12か月×38年=456万円になります。運用益は利息のみで、ほぼ0と考えてよいでしょう。

一方で、外国株のインデックスファンドの場合、過去200年間では20年以上の長期間投資すると年利4%くらいに落ち着くという調査結果があります。これをもとに年利4%で運用できたとすると、その額は1031万円にもなります。

元本保証型に比べると、575万円も差が出ることになります。しかも、この運用益には課税されません。このように、企業型DCを放置していると老後資金の準備に大きな差が生まれてしまいます。

運用商品のスイッチングとリバランスをしよう!

勤めている会社で企業型DCが採用されていたら、次は自分の運用商品を見直していきます。

商品の見直しは運用機関の専用サイトで行うことができます。入社したときに、専用サイトのIDとパスワードが通知されているはずです。頑張って探してみて、無ければ再発行手続きをお願いしてください。

専用サイトに入れたら、以下の3つをやってみましょう。

①運用商品の確認

⇒ご自身が今運用している商品を確認します。商品が元本保証型商品(定期預金)や利回りの低い国内債券、手数料の高いアクティブファンドなどになっていませんか?

②スイッチング

⇒まだ20代~40代で運用期間が長くとれそうなら、それらの商品は外国株のインデックスファンドなどの手数料が安く・長期で見れば成長が見込めるものに切り替えたほうが良いです。

運用商品の切り替えは、専用サイトのスイッチングというメニューから行います。現在保有している商品の一部または全部を売却して、別の運用商品を買うことができます

購入する商品は、20代~40代で運用期間が長くとれるなら、外国株のインデックスファンド100%がおススメです。ただ、株式のみだと大きな変動が怖いという方には、バランスファンド(株式や債券、不動産が決められた配分になっている商品)にしたり、保有商品の一部を債券や定期預金にしたりするのも良いです。

併せて、毎月購入している商品の変更も忘れずに行いましょう。購入する商品は基本的に、スイッチングで切り替えた運用商品の配分と同じにします。(毎月10000円を拠出していて、保有商品が外国株100%なら、購入する商品も同じものを10000円にする。)

③年に1度の運用商品見直し&リバランス

⇒商品を切り替えたら、あとはまた放置!・・・はNGです。

年に一度は、運用商品の見直しと、必要ならリバランス(配分変更)を行いましょう。リバランスとは、自分の年齢や資産状況に応じて、現在保有している商品の配分を見直すことです。先ほど紹介したスイッチングで、商品の一部を売却して別の商品に切り替えることで行うことができます。

外国株100%で運用すれば、その分リターンも増えますが、同時に株式市場の暴落などがあれば大きなマイナスになることもあります。若いうちならば数年待てば株価は元に戻っていきますが、50代など運用の後半で暴落にあうと、せっかく増えていた資産が受け取り直前でマイナス70%・・・なんてこともあり得るわけです。

このような運用後半では死活問題となる暴落による大きなマイナスや、日々の変動幅を抑える目的で、リバランスを行います。

リバランスでどの程度配分変更するかは、個々人のリスク許容度(どのくらい価格変動や暴落による大きなマイナスがあっても精神的に耐えられるか)によって変わります。一般的には、100ー年齢の割合で債券の比率を増やすのが良いといわれていますが、人によってはリバランスをせずに株式100%で最後まで突っ走ることもできます。

どうリバランスするのが自分に合っているのか・・・こればかりは、実際に運用してみて自分のリスク許容度を少しずつ知っていくしか、方法がありません

リバランスを行ったら、併せて毎月購入する商品の配分変更も、忘れずに行いましょう。

マッチング拠出制度は優先度低めで良い

マッチング拠出制度を利用できる方は、利用を検討しても良いですが、優先度は低めで良いです。なぜなら、デメリットでも挙げたように商品ラインナップが乏しいからです。

まずはNISAやiDeCoなど、商品ラインナップが充実かつ制度的にも利用しやすいものを満額利用し、それでもさらに余剰資金があれば、マッチング拠出の利用を検討しても良いでしょう。

ただし、老後だけでなく今や近い将来の備えも忘れずに!

最後に

日々の仕事に追われて、会社の制度を調べる時間がない!という方も多いかもしれません。しかし、その調べる手間を忘れたり怠ったりしていたせいで、数百万円のお金を損していたとしたら・・・?

この機会に、ぜひ会社の年金制度をチェックしてみて、企業型DCが採用されているなら見直しを行ってしまいましょう!

なお、他にも会社の制度について解説した記事もあります。併せてチェックしてみてください。

ではまた。

aomushi1989.hatenablog.com

aomushi1989.hatenablog.com